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老人ホーム [プライベート]

ミュンヘン時代以来の知人のドイツ人女性(日本人と結婚してずっと日本で暮らしてきたから正確には日本人と言うべきだろうが)Kさんが都内の老人ホームに入居し、だいぶん容体も芳しくない、と聞いていた。かなりご無沙汰でもあるし、娘さんの代筆ながらぜひ会いたいという旨のハガキももらっていたので、娘さんと連絡を取り、都内某所のホームを訪問した。

人の噂ではかなり容体が悪く、行ってももう誰だか分からない状態、と聞いていた。そこで私は普段はめったに着ない、なるべく目立ちそうな赤、青、白のダンダラ模様のド派手なシャツをきて出かけた。実際あってみるとそれほどのことはなく、私が訪問したことをとても喜んでくれている風であった。ただ、彼女とは日本であまりあっていないので、お互い日本語でしゃべる、ということがなかったから、コミュニケーションがうまくとれないといけないと思って娘さんにも立ち会ってもらった。実際なにか話したがっている風でいろいろ言葉は出るのだが、日本語だか、ドイツ語だかの判別も困難なほどで、内容も定かでない。ただ音楽、特にヴォルフの話になると急に目が生き生きとし、私が「コフタの歌」のゲーテの詩がよくわからない というと「あれはドイツ人にもなかなかわからない」というのが唯一通じた会話であった。あと、フリーメイソンがどうたら、という面白い話になりかけたがこういう込み入った話になるともう通じない。少し遅れてご主人も来られ、久方ぶりの邂逅で話題には事欠くことはなく、2時間あまり楽しい時を過ごすことはできたし、行ってよかった、と思う。

老人介護ホーム、というのは実は私も行くのは初めてで勝手がわからなかったが、大手の経営するこのホーム、設備も充実していてなかなか快適のように見えた。人ごとではない、自分もKさんとは二つしか違わないのだからいずれ世話になることもあろう、と考えて資料を山ほどもらって日の傾きかけたころ、ホームを後にした。

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