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ドネーションの貨車 [メルクリン]

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ドレースデン、といえば音楽家にとって忘れられない都市であるが、長年、東ドイツ領にあったため、復興は西ドイツに比べ、遅々として進んでいなかった。特にドレースデンのシンボルとも言える聖母マリア教会(Frauenkirche)は第二次大戦で連合軍により徹底的に破壊された。バッハも何度も訪れた由緒ある教会でもある。

破壊されて瓦礫になった石を徹底的に拾い集め、使えないものは新しい石を加えて、ようやく1994年に再建を果たした。これに要した費用1800億ユーロのうち、民間の寄付でまかなったのが1000億ユーロというからドイツ人がこの教会に寄せる思いはなみなみならぬものがある。

これに一役買ったのがメルクリン。このような特別モデルを出し、通常より高い値段で販売し、それで得た利益をそっくり教会再建事業に寄付する、という方法で寄付を募ったのである。メルクリンを買う顧客はそれなりに経済的余裕もある人たちだから、聖母教会に使われる鐘楼の鐘を運搬する貨車のモデルであり、それを購入することでいくばくかの教会再建にでも役立つなら、喜んで割高の貨車を買ったにちがいない。我が家にあるものも多分1990年代に手に入れたもの。このような貨車が実際あったかどうかはもうどうでも良いのである。私もまことにささやかながら聖母教会復興に寄与したという自己満足もある。鐘は上質の鋳物で作られており、三軸ボギーの無蓋車に鎮座している。おそらく今後絶対出ないモデルかもしれないが、もしかすると教会再建何十周年とかのイベントでもあれば再登板する可能性もなきにしもあらず。
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