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17回ショパン国際コンクール入賞者コンサート [ショパン]

入賞者6名のガラコンサートが日本各地でツアーをしているのでお聞きになった方は多いと思う。昨年は私の事情でポーランドに行けなかったので、聞いておいた方がいい、と思って東京芸術劇場で1/29に開催されたものを聞きに出かけた。すでに周知のことではあるが入賞者の名前を記しておく。

第一位 チョ・ソンジン(韓国) ポロネーズ賞
第二位 シャルル・リシャール=アムラン(カナダ) ソナタ賞
第三位 ケイト・リウ(アメリカ) マズルカ賞
第四位 エリック・ルー(アメリカ)
第五位 イーケ・(トニー)・ヤン(カナダ)
第六位 ドミトリー・シシキン(ロシア)

さすがに満席で日本人のショパンに対する関心の高さが伺われた。これが他のコンクールのガラコンサートであったらこうは行かないであろう。一通り聞いての感想を簡単に述べるのは難しい。それは入賞者の6人のプログラムが、ある人はスケルツォ一曲10分だけ、ある人はコンチェルトとアンコールまで含めて優に一時間を超える、というアンバランスなためもあるので、私の感想はごく限られた範囲でのものであることをご承知いただきたい。

当夜で一番印象に残ったのは最年少で入賞したイーケ・ヤンの「舟歌」であった。最年少にもかかわらず、ピアノの音の美しさをここまで引き出せる才能というのはそう滅多にあるものではない。優勝したチョはなるほど、と感心させるものはあるものの、このプログラムだけではなんとも言えない。(ハ短調のノクターン、幻想曲、Op18のワルツ)。 ケイト・リウこの人のアンコールに演奏した62ー1のノクターンは絶品であった。要するに総体的に言って早いテンポ、圧倒的な音量、といった馬力にもの言わせる、という現在の日本のコンクールの傾向とは逆の方向にある、ということに私たちはもっと気が付くべきであろう。特にショパンにおいてはそれがいえる。ピアニッシモの美しさと自然なニュアンス、というごく当たり前のことが評価されるのである。

ワルシャワからオーケストラも一緒に来る、という熱の入れようだが、オーケストラの方は問題なしとしない。ショパンのコンチェルトのトゥッティの部分、なぜあんなにテンポがめったやたら変わるのだろうか。一般にトゥッティの部分、そっけなく扱われすぎることが多いが、過不足なく表情とバランスを保ったいい演奏は私はポーランドで何度も耳にしたのだが、これは一体どうしたことか。
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