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クマとLGB [レーマン(LGB)]

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村の広報車が我が家の前で止まり、熊が出ましたから気をつけてください、と拡声器で告げられた。家のまわりには「注意、熊出没」という立て札がいたるところにあり、いまさら、という気はしないでもない。そういわれたからといって、毎日天気さえよければ出かける山の散歩道、今日もあきらめるつもりもない。まず普通の人は通らない道だが、釣りをする人は少なくなく、彼らにしたところが全然気にするふうもない。「クマが出たそうですよ」と注意しても「ああ、そうですか」で終わり。村の中で熊が出た、というニュースはときおり聞くが、熊にやられた、というのはここに小屋を建ててかれこれ23年、いちども聞いたことがない。クマにしたってやはり人間は怖いのだ。

クマの立場からすれば、人の家の敷地とそれ以外のところの区別などはないから、(実際シカは夜中、敷地の中でしょっちゅう鳴いてる)こうやってレーマンを運転していても敷地の中でも絶対安全という保証はない。でも機関車の警笛は熊よけにはなろう。そもそも、この土地を買うとき、クマ付きの値段でいくらです、と冗談めかしていわれたものだ。それにしてはまだ一度も熊の顔を見たことがない。年によって山にエサがなくなると、人里までおりてくるのであろう。でも私もクマはやはり剣呑だから散歩にはシンバル、鈴、などのSchlagzeugは必ず携行する。

橋桁 [レーマン(LGB)]

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 レイアウトを作るのに誰でも考えるのはトンネルと鉄橋をどうするか、であろう。ここのレイアウトの特徴はトンネルやそれに伴う勾配がない代わりに、橋梁がいろいろな形で工夫が凝らされている。その中でも一番スパンの長いのがこの直線区間にあるコンクリートのアーチ状のもので橋脚間が120センチもあるけれど、広い敷地の中ではそれほどの長さには見えない。

 一番南側の直線区間が長いので何もないとレイアウトとして退屈なものになってしまう。多くのViaduktとこの近代的なアーチ状の橋梁がそれに変化を与えている。せっかくのこの苦心の作も来年の夏には草におおわれてしまうだろうから、このあたりの草刈りを怠らないのが今後の課題となりそう。

エンドレス完成 [レーマン(LGB)]

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 体育の日。もうLGBの本線のコンクリートも完成し、仮の鉄橋ながら線路も敷いてエンドレスが完成しているはず、と思うといてもたってもいられなくなって急に南相木に来た。秋の気配も深まった山の空気はもう寒い。セーターが必要となる。

 以前のレイアウトの約倍の長さのエンドレスになり、これまでの感じとは列車の感じ、走りの感じが一変した。一番重い割には非力なタンク機関車(DR99- 6001)が4両のボギー客車を軽々と牽引出来るようになったのもこのエンドレスから勾配が消え、まったく平面のしっかりしたコンクリート道床ができたからである。(写真下)。LGBの本線にはわずかの勾配も禁物。この路線の中の高低差は最大で約2センチ程度だそうだが運転には全く影響はない。

 上の写真は手前が廃線になった旧線、うしろがコンクリート道床の新線。カメラを客車に乗せて動画を撮ってもほとんど実物と同じ程度の揺れにしかならない。いずれ編集した動画を掲載します。

南相木からのメール [レーマン(LGB)]

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  (LGB基礎工事の作業現場。進行中の記録)
 私はもうこの時は現地にはいなかったのだが、どうやらコンクリート道床のエンドレス部分のコンクリート打ちが終わってつながったらしい。このように本格的な水準儀を使っての工事だから、実物の道路をミニにしたのと同じだけの正確さで工事が行われている。私のレイアウトはいくつかあり、どれもそう人様に自慢出来るものはないが、これほどの安定度、精密度、耐久性で右に出るものはそうそうなかろうと思う。ケタの長いViaduktには鉄筋まで入っているそうだからレーマンのうたい文句である「象が乗ってもへっちゃら」とまでは行かないにしても、鹿が鉄橋を踏んづけたくらいではびくともしない強度は保っている。

 この基礎の横の部分はあるところは陸橋(Vuadukt)のまま残し、あるところは横に土盛りをして草が生えるにまかせ、あるところは自然にコケが生えるのを待つ、そしてレールはネジで道床に完全に固定し、あとはバラストを播いて仕上げる、ということだそうだが、まあここまでやるか、と感嘆の面もちで見ている。

南相木日記(2) [レーマン(LGB)]

 ここ何年間か鹿が急に増えた。このあたりの農家は畑のまわりにネットを張りめぐらし、鹿に食い荒らされないよう必死に対策をこうじている。

 我が家も敷地内のイチイがかなり食い荒らされ、なかには枯れてしまったのもある。枯れないまでも鹿の届きそうな新芽は食い荒らされ、植木として全くかっこうわるくなってしまった。レイアウトも被害を受けた。レールがぐちゃぐちゃになっていたのは、どうやら鹿の仕業らしい。それでももう一度もとにあったと思われる場所にレールを敷き直してみると、以前より倍くらいの距離になったエンドレスだが思ったより、よく走る。理由の一つはレベルがほぼ平らになったこと、もうひとつはしっかりしたコンクリート道床になったことで、接触不良が少なくなり、レールのジョイントもそれほど完全ではないのにもかかわらず、なんとかなっている。

 LGBの前の持ち主であるD先生はやはり保守には苦労されたらしく、一夏のうち、なんとかまともに走るようになったのは最後の数日だけ、ということだったようである。これも今にして思えば基礎がちゃんとしていなかったせいであろう。やはり何ごとにも「基礎が一番大事」ということを思い知らされた。

 LGBも次世代に受け継がれつつあるが3代目になってやっと本格的にものになりそう。このコンクリート道床ならこのような冬過酷な土地でも半世紀は充分もつであろう。半世紀あとのLGBは誰が所有し、どうなっているか。いずれにせよ今の機関車はこの調子だと半世紀あともまだ健在と思われる。初代の持ち主が購入してからすでに半世紀はたっているのだから。私の不注意で壊したもの以外、故障して動かない動力車は一つもない。ドイツ製はやはりすごい。

 いまのところまだ一部旧線の急カーブと地盤の不安定なところがあるので、小型で軽量の車両だけを運転している。昨日とうってかわって今日は小雨もよう。台風が近づいている。


南相木日記(2) [レーマン(LGB)]

          [コンクリート道床の型枠作り]
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 昨晩から急ににぎやかになった。この頃は毎年山荘もほぼ満杯状態になる。今日はコンクリート道床の続きの工事で、まず測量から始まる。本線のエンドレスはずっと拡大しただけに工事も大がかりになり、時間もかかるが、Gゲージになるとまさに体力勝負。敷地は見ただけではわからないがわずかに傾斜していて、本線は地形と関係なくほとんど勾配のないものに仕上げるのだそうだ。出力の十分でない機関車でも長大編成を可能にするためだ。東京で試みた幾つかのレイアウトでも、本線には勾配を作らないのが実用的で望ましい、というのが経験から得た結論である。

 目下レイアウトの中心的景観になる橋梁をどんなトラスにするか、と議論が白熱している。橋脚のコンクリートの型枠を3本作っているので、これだとトラスが4個に(!)なるのだろうか。完成すれば壮観だろうなあ。レーマン製のトラスは値段が高いわりに見栄えがしないから、プラレールを改造して使った方がマシじゃないの、といった奇想天外な議論を私は楽しく聞いている。

 工事は佳境に入ってきた。R3のカーブはこれまでに使用した型枠が大体使えるとはいえ、でコンクリートやゴミのかき落としやら、成形なおしやらでこれも一仕事である。これだけ時間と労力とをかけるとまさに本格的なレイアウトになるが、別線はいずれ楽しみながら考え考えやるそうなので全部完工するのはいつになるやら全く見当はつかないが、完成するとやることがなくなり、楽しみがなくなるので、完工時期はなるべく先のばししたい、という。結構、結構。

 旧線はそれなりに面白いから全部は廃線にせず、本線と分離して一部をのこし、Museumsbahnとして使う方法もあるなあ、という議論もある。レールも敷地もありあまるほどある、という恵まれた環境にある。

緩和曲線 [レーマン(LGB)]

 模型鉄道の一つの泣き所は緩和曲線とカントであろう。設置スペースの問題があって、緩和曲線をつけられればよりリアルに再現運転出来ることはわかっていても実際は難しい。メルクリンのような3線式では発売されている曲線に従うしかないが、HOでも2線式、レーマンでもフレキシブルレールがあるのでやろうと思えば不可能ではない。

 軌間45ミリ、といえば相当大きなスペースがないと無理、と思われがちだがレーマンの最小直径は120センチだから、マンションのベランダくらいでも楽しんでいられる方は結構多い。私の場合のようにスペースはいくらでも取れる、といっても悩みがないわけではない。R3(直径約240センチ)が現在保有しているカーブ線路の大半を占めるが、これだと緩和曲線があればなあ、と誰でも思うようである。R5、もしくはフレキシブルレールの緩和曲線を入れれば素晴らしいのだが、コンクリート道床を作るために緩和曲線を計算に入れると図面を書くのがものすごく大変になるのだそうで、残念ながらこれは見送らざるを得なくなったようである。

 いや、全部人任せなのだからぜいたくは言うまい。E型やマレー型の機関車が楽に通れる、というだけでも有り難いと思わなくてはならない。
(記事と写真は関係ありません)
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ミニSL [レーマン(LGB)]

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 Steinzといえばレーマンの象徴的存在だが、Krauss(Linz,1885年)製の実物の機関車はまだオーストリアで健在のようである。模型のほうは、といえばそろそろこの旧線も廃線になるので記念撮影をして置いた。ブロックを積んだだけのこの旧線もコケがむしてそれなりに風情はあるのだがコンクリート道床が伸びるにつれてこれもなくなる。Steinz「2」と「3」のDoppeltraktionで「2」のほうはサウンド、発煙装置付きだが外観はかわらない。(前方が「2」)
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 日本ではこのような小型の古い蒸気機関車はほとんど姿を消した。D51のような一般受けするような大型機関車でないだけに必要がなくなれば消えるのも早かった。日本にどのくらいあるか詳細は私も知らないけれど、そのうち走行可能な状態にある貴重なもののひとつが北海道は石北本線の丸瀬布(まるせっぷ)にある「雨宮」。現在も約2キロの路線を夏場の土日に運行しているようで、日本も鉄道初期にはこういうものは輸入に頼っていたが、国産の「雨宮」が残っているのはめずらしい。

 丸瀬布は一日4往復しかない特急「オホーツク」の半数しか止まらない不便なところ。札幌から約3時間半、そこからまたバス又はタクシーとかなりの旅行となる。この9月には大学のオフの日を利用して見に行く予定でとても楽しみにしている。あまりに不便なところにあるので実物を見られた方はそう多くはないかも知れない。最近の北海道のツアーのパンフ類をみても、かなりマニア向けと思われるようなツアーでも「雨宮」乗車、見学、というのは見たことがない。

 SL,という言い方は私はあまり好きでなく、蒸気機関車、もしくは蒸機、と昔風に呼ぶのが風情があるのでもっぱら私はこう呼んでいる。

南相木日記 [レーマン(LGB)]

 6月20日。晴。このくらい本格的になるならもう完成まで何年かかっても良い、というのが現況をみた実感である。まだコンクリート道床にレールをのせただけだけれど、走りは格段にスムースになっていることと、急カーブがなくなったのがすばらしい。これなら案外将来メルクリンの1番ゲージの26メーター車も似合わないわけではなさそう。短い編成のシルバリンゲくらいなら行けるのではないか。夢は広がる。道床の両隅が直角のところと角が取れているところが混在しているのはどうやら工事関係者間の連絡がうまく取れていないせいらしい。
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Viadukt (陸橋) [レーマン(LGB)]

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 私の知らないうちにすこしづつ工事は進行し、だいぶん現実化してきた。なにしろ、本来の目的であるミニ小屋の工事をそっちのけにしてやってくれているようなのだ。
それにしても基礎をここまで本格的な凝ったものになるとは私も予想もしていなかった。これはまさにスイスのレーティッシェ鉄道あたりでよく見かけるViadukt(陸橋)ではないか。前のレイアウトは実物にして35パーミルくらいの勾配があるのでとくにこの機関車は何両も牽引するのが難しいが今度はそれがかなり緩和されるのでそれだけでもありがたい。

 先日は私をのぞく全員集まってコンクリートの型枠外しをやっていたようである。これでもまだエンドレス区間の半分くらいだそうで、息子たちの報告ではとりあえずは在来の区間とをレールでつないで一応運転は可能にしておいた、という。6月に南相木に行く楽しみがふえた。
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